宝物

それ以外に価値があるものなんてどこにもない。

誰かが違う名前で呼んでいたとしても、わたしには関係がない。


暗黒の闇に放たれた一筋の白い光がやがてくすんだ。

闇を身に纏ったかのように見えた光だったが、柔らかい綿毛のような心地よさしか残さなかった。


たった一つだけしかないもの。

だから符号などつける必要などなかった。


わたしの命や霊魂


いまそこにあると、わざわざ言葉になどしない。


すべてがそこに向かっていて

それ以外に意味などなにもない。